子どもと一緒に奄美群島の自然や生き物を楽しく学べる「奄美野生生物保護センター」
ライター:とらお(まーじんママライター)
うがみんしょーらん!ライターのとらおです。
奄美群島の生き物や自然を保護するために設立された「奄美野生生物保護センター」。
野生生物の調査や研究、動植物の展示などを行っている施設です。
2021年7月に世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」においても、登録に向けて精力的に活動されていました。
世界遺産登録に向けて頑張ってくれた皆さんに感謝ですね。
初めて施設の名前を聞く人には難しいことをしている印象を受けるかもしれませんが、実は子どもから大人まで楽しめる博物館もしくはアミューズメントパークといった施設です。
今回は自然を学べるセンターの魅力や楽しみ方をご紹介します!
奄美野生生物保護センターの基本情報をご紹介
奄美野生生物保護センターは2000年に大和村に設立された環境省の施設です。
既に20年以上の歴史があるセンターですが、2014年に改修が行われており、とてもきれいな建物になっています。
ちなみに、外観は奄美の伝統的な「高倉」をイメージしているそうで、おしゃれですよね。
アマミノクロウサギなど希少な動植物の模型や写真をたくさん展示しており、奄美の自然の素晴らしさを1か所で楽しめる施設です。
入場料は無料なので、お子さんが気に入ったらいつでも遊びに行けるのがありがたいですね。
奄美の自然を知ることで、その大切さや面白さを学ぶことができますよ。
また、センターにはお持ち帰り可能なパンフレットが用意されています。
図鑑のような綺麗な写真がたくさんあるので、まだ字が読めないお子さんも楽しめますし、説明文はとてもわかりやすいです。
このパンフレットの内容は学校だけでは学べない、奄美の自然を知る機会となります。
ぜひとも手に取ってみてくださいね。
センター内は展示物や本がもりだくさん
まずはセンター内のおおまかな概要図を確認して、各々のコーナーを見てみましょう。
亜熱帯のあざやかな風景がお出迎え
入口から入るとまず、目に飛び込んでくるのが「花虫戯曲」の壁画です。
色鮮やかな南国感あふれるトロピカルな絵で来場者を楽しませてくれます。
見ているだけでワクワク!「昆虫コーナー」
「昆虫コーナー」や他のコーナーにも設置されている様々な動物の標本やはく製に、小さいお子さんはワイワイすること間違いありません!
昆虫コーナーにはチョウやクワガタの標本、ビーズで作ったトンボなどお子さんが喜びそうな展示が盛りだくさん。
「こんなにたくさんの昆虫が奄美にいるのか!」と驚くと思いますよ。
息子も初めて見る動植物におおはしゃぎしていました。
昆虫だけでなく、初めて見る動物の骨や大きなネズミ・鳥のはく製に興味津々の息子。
綺麗な羽根が特徴のルリカケスのはく製もありました。将来は生物学の勉強をするのかな?
絵本から専門書までそろう「ライブラリー」
「ライブラリー」には幅広い年齢の方が楽しめるように、親しみやすい絵本から専門的な本まで揃っています。子どもから大人まで自然について楽しく学ぶことができますよ。
夏休みの自由研究に活用するのも良さそうですね。
分からないことは、職員の方にお尋ねすることで一緒に疑問を解決できるかもしれません。自然の専門家の方々とお話することで、どんどん知識が深まると思います。
展示物を見ても、本を読んでも奄美の自然を学べる、センターの良いところですね。
奄美群島それぞれの豊かな自然を感じる「いのちの方舟 奄美群島」
「いのちの方舟 奄美群島」コーナーでは奄美群島の島々の生き物と自然を感じることができます。
動物の鳴き声を聞いたり、アマミノクロウサギやハブ、野鳥のはく製を見たりすることができ、より自然を身近に感じることができます。
また、先にご紹介したセンター入口の絵だけでなく、ここの絵も本当に綺麗!
どの絵も今にも動きそうな様子で、普段なかなか出会えない動物を見ることができます。
奄美大島に住んでいる私でも、ドライブで山道を走ることはあっても、動物に出会う機会は多くありません。
しかし、展示してある動物たちが身の回りの山に住んでいると知ることで、「私たちと野生生物は隣り合わせに生きているんだな」と親近感がわいてくるかと思います。
より専門的な資料を見るなら「調査研究コーナー」
「調査研究コーナー」ではより学術的な資料を見ることができます。
奄美群島には多くの固有種や希少な生き物が生息していることから、生物の多様性が高いと評価されています。
しかし、「希少」ということは「絶滅の恐れがある」ということでもあります。
センターでは、絶滅の恐れがある希少な生き物としてアマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラツグミの保護増殖事業を行っています。
生息地域や個体数のモニタリングを行い、希少な動物が交通事故にあわないように対策しています。こういった地道で丁寧な調査活動が生き物の保護につながるんですね。
センターが目指すのは、動植物があるがままの姿で存続すること。
希少な生き物を人の手で保護し動物園のような人工の施設の中で飼育して増やすのではなく、自然の中で生きている状況で調査して、生息数が増えていくように見守りながら活動するのは、自然と共に生きている感じがして素敵だなと感じました。
期間限定のイベントを楽しむことができる「企画展示室」
通常の展示とは別に、企画展示室を利用して期間限定の企画展示をされることもあります。「奄美の森の生きものたち」として写真を展示していた際には様々な動物や、カエルの面白い写真を見ることができました。
残念ながらこの写真展は2021年7月18日に終了していますが、その様子をご覧ください。
息子はカラフルな虫がお気に入りのようでした。
子どもと一緒にセンターへ遊びに行ってみよう!
今回、奄美が世界遺産に登録されたことで、自然に興味を持った観光客がたくさん訪れることが期待できます。
しかし、奄美に住んでいるとその自然を意識する機会は案外少ないもの。
奄美野生生物保護センターは、自然を楽しく学ぶチャンスを与えてくれます。
ここで奄美の自然にふれた子どもたちが、将来どのように成長していくか楽しみです。
奄美に住んでいる子どもたちやそのご家族に向けて、センターのどんなところを見てほしいのか、どんなふうに利用して欲しいのかを「奄美野生生物保護センター」職員の阿部さんに教えて頂きました。
「奄美群島は200万年以上も前に大陸から隔離されたため、古い時代に繁栄した野生生物が残る奇跡の島々です。そのため、奄美大島と徳之島が沖縄島北部、西表島と共に世界自然遺産に登録されました。
センターでは南の与論島から海流の黒潮に沿って北上しながら奄美大島、喜界島まで、島ごとの自然環境や野生生物について絵や標本で紹介しています。
それぞれの島ごとに特徴のある地形や野生生物が分布していて、その多様性も興味深いです。また、奄美大島の野生生物やマングース対策などの取組みを紹介した15分ほどの映像も、ぜひご覧ください。
展示のほかにも関係機関の方々と連携しながら、希少種の保護活動や外来種の駆除などの取組を進めています。
何か知りたいことがあればお気軽にスタッフに声をかけてくださいね。
みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。」
新型コロナウイルスの発生状況によっては閉館の対応をする場合もあります。
実際に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、2021年8月20日(金)から臨時休館しています。開館の予定が決まり次第、ホームページにてお知らせするそうなので、事前に奄美野生生物保護センターのホームページにてご確認ください。
ぜひ、お子さんと一緒に奄美野生生物保護センターに遊びに行ってみてくださいね。
奄美野生生物保護センター
【住所】894-3104 鹿児島県大島郡大和村思勝字腰ノ畑551
【電話】0997-55-8620
【開館時間】9:30~16:30
【休館日】毎週月曜日(祝日の場合、翌日)・年末年始(12月29日~1月4日)
【入館料】無料
【子どもトイレ】子ども用トイレはないが、男子・女子トイレの個室にベビーチェアあり
【オムツ替え台】多目的トイレ内に設置
【授乳室】なし